立てども座れども

立てば芍薬~なんて言いますが、言わずと知れた女性の振る舞いに対する例えです。

すらっと伸びる茎に咲く花から立ち姿を。横向きの枝に咲く牡丹の花の様子から座り姿を。風に揺れる美しいユリの花を歩き姿に例えた意味です。

そんな中から終盤に差し掛かってますが、芍薬の花を少しご紹介。

夏らしく明るい黄色の花はハニーゴールドになります。白との複色で透明感のある色は、レモンの様なフレッシュ感さえ感じる色合いです。

ピンクと白のツートンが特徴ある、エンゼルチークス。

これを見た時はかき氷に練乳がかかっている様な印象を受けました。

そしてこの花型で濃いピンクは珍しい玉の台。

「たまのだい」ではありませんよ。「たまのうてな」と読みます。

台(うてな)とは文字通り台座の様な意味合いで、高い建物や蓮台の意味合いがあります。丸い蕾の中から現れる台は、花が開いて初めてその意味を知ります。

 

そして赤い品種では人気上位のレッドチャーム。

黒系の赤い蕾から、深みのある赤の花弁を沢山咲かせます。

そして、芍薬の中では一番メジャーで人気なのだろうと思うサラベルナール。

黄金の声と評された、フランスの女優の名前から取られた品種です。

美しき時代、ベルエポックと呼ばれた時代を生きた女性で、豪華絢爛なアールヌーヴォー様式の立役者の一人とも言われ、その華やかさと女性的な柔らかい色合いがこの花にピッタリだと思います。

芍薬には様々な色や花型がありますが、丸い小さな蕾からは想像できないほどのボリュームある花となります。

今年の出荷ももう少しで切り花の世界では終了となりますが、一度はご自宅で生けて見られて下さい。

 

 

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