歴史を歩む
現代を生きる中で、改めて立ち止まり振り返ってみると、現代の便利な世の中には驚きの連続でもあります。その反面便利さ優先で失われるもの、失われていくものも多々。
今当たり前に目の前にあるものは、出来るまでに様々な試行錯誤や投資、それにかかる莫大な時間をかけて出来上がったものが多いのだと思いますが、歩みと言いますか、歴史を辿ると納得と感心という感情に満たされ、感謝を感じるものが多いのだと感じさせられます。
毎年題材に挙げていたつもりが実は昨年は知らず知らず飛ばしていたダリアを今回は選んでみました。
ダリアの歴史は1840年頃にオランダから長崎に渡ってきたのが最初だったそうで、そこから江戸の町へと導入された、日本では約200年の歴史を持つ植物です。
現在はダリアは普通に誰でも購入できる植物になりましたが、この200年の間に生育のやり方や品種の改良など様々な歴史があって今があります。
春に球根を植えて、早い物で夏から咲き始め秋にピークを迎えるダリアですが、現在では春でも冬でも花店や式場でダリアを見かける事が多いかと思います。
これも先人たちの知恵と努力によって、旬の時期以外でも目にできる様になった一つの証です。
広島県世羅郡の世羅高原農場の秋ダリアです。
昨年もお伺いしたのですが、昨年のこの時期はハイビスカスを選んでいたので、2年ぶりの紹介になります。
ピンク系からスタートしましたが、現在は選抜や改良が進んでどのカラーも様々な品種があって、選べる幅が多いのもダリアの魅力の一つかと思います。
世羅町は広島県内でも比較的標高が高い町で、この農場は町内で最も高い540mの所にあるのだそうです。冷涼な気候が植物に良い環境を与えてくれているのでしょう。
秋にはこういう暖色系が人気の季節。
最近の傾向として柔らかいカラーが人気です。
バイカラーの種類も様々で、かわいい色目の物もあれば、アンティークな色目の物も。
最後のレンゴクはガーベラのパスタの様なうねる花弁が特徴的なダリアで、鬼滅の刃に登場するあのキャラクターの髪をイメージするものです。
時代を象徴する花ですね。
世羅町は旧3町が合併して今年で20周年を迎えるそうです。
植物は勿論、果実も豊富で酪農も行われている地域。
広大な敷地にワイナリーがあったり、自然に囲まれたゆったりとした時を過ごせる町です。
これから数える20年は長いのだけれど、振り返る20年はほんの一瞬。
その20年には数えきれないくらいの出来事があったのでしょうが。
この先20年30年と歴史の歩みを進め、後世へと残すべき日本の一つの町です。