南は早く
2月のとある日。
しとしとと雨が降る中、おそらく日本で一番早く咲くであろうチューリップを見に鹿児島の地へやって来ました。
雨の中わざわざ、ではなく敢えて雨の日を選んで行って来たのですが、まぁ予想を大幅に超えるいい訪問となりました。


鹿児島県指宿市。
薩摩半島の一番下にある長崎鼻の近くで静かに佇む「フラワーパーク鹿児島」
園に入るとピンク色の桜の群が目に飛び込んできます。
「イズノオドリコ」という早咲きのサクラ。
イズノオドリコという名前なだけに伊豆半島の山中で発見され命名された品種です。
オオシマザクラとカンヒザクラの交配種と見られていて、カンヒザクラが交配されているせいかピンクが濃い部分がありますね。日本では限られた場所でしか見られないサクラを見る事ができて、なかなか貴重な体験となるスタートとなりました。



サクラ群を超えると、道の両脇に咲いたチューリップが出迎えてくれます。
普段切花で良く見る品種もあれば、切花では見かけない品種もあり見ごたえ充分。
画像左はすっと縁が薄くなる「ロージーデライト」 いい色です。
中央がラベンダー系の色味とピンクが交互に重なる「ライトアンドドリーミー」
画像右が黄色の縁がワンポイントの「ワールドフェボリット」
雨が降る中耐え切れずに倒れている花も有りましたが、殆どが頑張って咲いていました。
園内は敷地がかなり広く、様々な花が咲いています。
温室内は緑と洋ランのジャングル。



画像右のピンクの蘭はリカステという蘭です。
ディサにしては大きいなと思っていましたが、調べてみたらリカステという蘭でした。
周りの3枚は苞で、実際の花の部分は見にくいですが中心の部分になります。
雨を凌ぐ意味でもいい足休めとなり、ベンチで休みながら鑑賞する花々は雨音も重なって乙な時間です。



花木類もかなり充実していて、晩冬の頃とは言え色々と咲き誇っていました。
アカシアも菜の花畑を囲う様に咲いてます。
ポダリリーフォリア種ですが、園芸の世界ではパールアカシアの名前で流通している種です。
中央の濃ピンクのサクラがカンヒザクラ。
イズノオドリコの交配の一つになるサクラです。
そして右側の薄いほんのりとしたピンクのサクラがカンザクラです。
雨の雫が重そうに乗っています。
歩みを進める毎に、水仙が…クリスマスローズが…ポピーが…スモモが・・・。
入ったら最後、簡単には出られない、いい意味で地獄の様な最高のフラワーパークです。
今頃は訪れた時は蕾であったモクレンなんかも綺麗に咲いている筈。
南の土地はやはり北の土地と比べて季節が早いなと感じます。
日本は四季があるけれど、その中で更に土地毎に季節の訪れが違うんですよね。
鹿児島県外の方には遠い場所ではあるけれど、一度は訪れる価値のある場所です。
私もまたいつか必ず。