いけばなの根源 池坊展 十人十彩

池坊の華展へ行って参りました。

花にも人にも、それぞれ個性があります。同じ花をいけても、全然違う世界になるのが“いけばな”です。

「十人十彩(じゅうにんといろ)」をテーマに、華道家元四十五世 池坊専永、時期家元 池坊専好をはじめ
九州地区で活躍する池坊の華道家約450名による作品を展示。

2018年10月3日(水)~8日(月祝)
岩田屋本館 本館7階大催事場

入場時間は午前10時~午後7時

チケットには撮影&SNS OKとの表記が、イマドキですね。

あと着物で来場の方は入場料無料だそうです。
着物で華展だなんて粋ですね、素敵に着こなされている方が何名かいらっしゃいましたが場の雰囲気までとても和やかな雰囲気でございました…

「正風体」と「新風体」

花にたずさわること8年になりますが、
生け花のお客様持てども、生け花の事は詳しく存じておらず…
この際、展示を見ながら少しだけ勉強させていただきました。

花を生けるスタイルの事を、立花(りっか)と呼び
その立花には2つのスタイルがあるらしく、

「正風体」(しょうふうたい)
明治時代に規範として定められたもの。
伝統的な方を持つ形。

「新風体」(しんぷうたい)
伝統的な構造を基本としつつ、型にはまった美しさではなく表現の内容を重視した形と

「正風体」と「新風体」大まかに2つのスタイルがあることを知りました。

自由花

あともう一つコーナーであったのは「自由花」
“自らに 由りて 花となす”(=自分自身をよりどころとして作品をいける)
使用する器や花材料の色、作品の大きさなど様々なスタイルで自分を表現する自由花のコーナー

生け花に使われている花材について

やはり仕事柄見てしまう今回の華展に使われている花。

よく使用されていた花材として印象的だった花材は
時期ものの枝であるツルウメモドキ。おなじツルウメモドキでも仕入れルートが違うとここまで
開き方や枝の張り方なども異なるのかと見ていて面白い発見でした。

作品によって微妙に色好きや枝の張り方、
線の出し方が様々で、とても美しかったです。
葉が黄化しているものをわざと使って秋の紅葉、朽ちていく様をイメージしていたり
たくさん多くの花が生けてあるものが美しいわけではなく、2~3種類でも
どう表現していいかはわからないのですがすっきりと美しく纏まっている。

どちらかというと花屋で作っていたフラワーアレンジメントというのは花がぎゅっとなっている様が美しいという感じのイメージなのですが少ない花で生ける花の美しさ、…日本人の美的センスには脱帽です。

物の少ない暮らし、ミニマリストなど少ないもので豊かな暮らしという観点では生け花に習うことがあるのではないかなと感じました。

次期家元 池坊 専好さんの作品

池坊 家元 池坊専永さんの作品

圧倒的な力強さと比例する美しさとか弱さ

生け花の知識も経験もないですが、この
「細さ」と「太さ」、「力強さ」と「か弱さ」
とても力強く美しく感じました。

一緒に見に行った友人は、小さな花々が
大きな作品になっていく様を昔読んだ絵本の「スイミー」みたいだと
仰っておりました、これもまた新しい視点でした。

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